『ビオレタ』寺地はるな


『ミナトホテルの裏庭には』を読み終わってすぐに、「次はこれ読もう!」と決めていました。

寺地さんの文章は、常に次の文章への期待感を抱かせてくれる、不思議な力があると思います。
激しいことばではないけれど、頭が、心がもっていかれる感覚。
あ、やっぱりことばでは言い表せないです。(笑)


道端で号泣していた妙を拾ってれた菫さんと、そのまわりの人々。
菫さんのお店「ビオレタ」にやってくる人々。
妙の家族。

登場人物ひとりひとりの背景にあるストーリーや抱える思いまで、詳細に感じることができて、それぞれがそれぞれにとっても魅力的なんです。

個人的には妙のお父さんがとても好きでした。なんとなく、ゆるっと生きているように見えて、しっかり見ていて語るべきところで語る。すごく素敵なお父さんでした。


そして読み終わった後思わず、箱を探しました。(笑)

菫さんのお店で売っている「棺桶」
自分なら何を入れるか、考えました。まだ答えは出ていませんが。

この先どうしても、自分ではどうしようもない悲しみとか苦しみとか怒りとか、そういうものにぶち当たったとき、このものがたりを思い出して、「あ、棺桶に入れて埋めよう」って思うと思います。
そう考えると、このものがたりを知っていることは、自分にとってすごく大きなお守りになるんじゃないかなと思いました。


うん、

お守りのものがたり

だと思います。

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by heibongatari | 2016-06-08 11:35 | ものがたり